今日の新メニューはハッシュドポテト
だ。この年になってハッシュドポテト
を肴に酒を飲むとは思わなかった。
でも、ビールによく合うね。
若いヤツに聞いたら、土日のマックで
同じようなものが売っているらしい。
今後、子供連れて行ってみよう。
食器
俺には良さが全く分からないが、二男の嫁さんが
ファイヤーキングと言うアメリカのアンティーク食器を
集めていて、久しぶりに遊びに行ったら全てがその
ファイヤーキングだった。
俺は日本酒が好きなので、織部や信楽、備前などの
和物が好きなのだが、出てくる料理の食器が全て
緑色で参った。
まあ、好き好きは人それぞれだからいいんだけど、
二男はどう思ってるんだか。
お前も男だからびしっと言えと言いたいが、親父が
母ちゃんに頭上がらないから仕方ないか。
銀座クラブ
俺は接待が苦手だ。
役人たちと話が合わないし、スーツにネクタイってのも性に合わねえ。
でも、会社を存続させていくためには付き合いも必要だってことは分かる。
当社の接待部長として、工藤にその役目を任せることにした。
工藤は昔からやんちゃだったが、話はうまい方だと思う。
だが、接待なんてしたことないからお店とか、全く知らねえ。
だから、銀座クラブを紹介してくれる会社の人にお願いして、
良い店紹介してもらうことにした。
会社の金で飲んでくんだから、ちゃんと仕事決めて来いよ、工藤。
脊柱管狭窄症
俺としたことが何たるざまだ。
現場で腰が痛くてぶっ倒れちまった。
こんなこと、20年の現場人生で初めてだぜ。
現場監督の勝男に肩貸してもらって病院に行ったら、
脊柱管狭窄症って言われたよ。
何だそれ、もっと分かりやすく言ってくれって言ったら、
若いあんちゃんは、背骨の中を通っている神経に
周りの組織が触れて痛いんだと教えてくれた。
脊柱管狭窄症だか何だか知らねえが早く治してくれ
って言ったら、しばらく通院して治療を行うんだとよ。
馬鹿野郎、社員たちに示しがつかねえっていうんだよ。
そしたら勝男がうちの親父も脊柱管狭窄症ってのに
かかって今は良くなってるから通院してくれって頼まれた。
俺が倒れる姿は見たくねえんだとよ。
女性宮家
詳しいことは良くわからねえが、
女性の天皇がいたっていいじゃねえかって思う。
そっちの方が、日本らしさってものを感じるけどね。
確かに、これまでの歴史というのは尊重しなければ
ならないし、これからも守ってほしい。
でも、雅子様のことを考えると胸が痛くなるよ。
皇室も同じ人間、政治家には考えつくしてほしいな。
銀座 個室
大震災後の復興特需で当社は大幅な業績回復をした。
リーマンショックの時は会社が倒産する危機に直面したが、
従業員を一人も解雇せずになんとか乗り切った。
その甲斐があって、復興特需を大人数で受注することができ、
今日に至る。
社員とその家族をねぎらってあげるために、金一封と
一人一人食事会に誘った。
21歳の長野から上京してきた飯島は、銀座の高い店に
行ってみたい、というので、実家の両親を誘って銀座茶寮
に行ってきた。
俺たちみたいな輩は受け入れてくれないので、みんなで
精一杯のおしゃれをして食事を楽しんだ。
銀座個室でもっとも有名らしい。お忍びで芸能人も来るらしく、
スタッフの対応もとても丁寧でこちらが恐縮した。
こうした銀座の個室でたまには食事をするのもいいものだ。
いつも壊れかけた居酒屋でワイワイやるのもいいが、
銀座の個室で社員とゆっくり話すのも心を割ることができる。
まだまだ仕事は溜まっているので、全員で乗り切るぞ!
安岡力也死去
あいつは不節制だろうな。
心不全ってことは、酒の飲みすぎ、食べ過ぎ、タバコの吸いすぎ、
大方そんなところだろ。
64歳ってことは、俺のより少し上で死んじまったんじゃたまんねえ。
まだまだやりたいことたくさんあっただろうにな。
でもそれを捨てて不節制してたと考えりゃ、自業自得か。
人間としても役者としても俺は嫌いじゃなかった。
生まれながらに殺気を持った役者で、他の者を圧倒するオーラを
持っていたおと思うよ。
あの世で酒でもタバコでも存分にやってくれや!
ファイヤーキング
事務所で使っているお茶のみカップ。
うちの会社の事務の女の子が、社長にってプレゼントしてくれた。
もう3年くらい使っている。
うちの若い連中は、これがファイヤーキングだってことを知っていたが、
俺にはとんと関係のない代物なのでわからねえ。
だが、ガラス製品で、冷めたコーヒーをレンジでチンしても割れないと
いう点では、職人の血が騒ぐ。
色とか形とかに拘りはないが、この堅さが俺は気にっている。
ただ、奥さんにには、その事務員あんたに気があんじゃないの、と
ややご機嫌斜めだ。